誤り訂正符号方式
インターネットでの誤り訂正符号方式は、大きく分けてARQとFECの2つの方式がある。
ARQ(Automatic Repeat reQuest)-自動再送要求
- 特徴
- 損失したパケットを自動的に再送する方法
- 再送処理のオーバヘッドのためリアルタイム伝送に向かない
- 損失したパケットを自動的に再送する方法
FEC(Forward Error Correction)-前方誤り訂正
- 特徴
- パケット数個ごとに冗長パケットを生成,送信
- パケット損失が発生すれば,冗長パケットから復元
- 再送処理がないためリアルタイム伝送に向く
- FECの種類
Media-Specific FEC(RFC2198)
単純にパケットをpiggy-backしているので、帯域増加率が多い(各エンコード方式に依存する)
Mboneのツールの一つであるRAT(Robust Audio Tool)で実装されている。
どのパケットをpiggybackするかは選択できる。一つ前のパケットとか2つ前のパケットとか。
また、インターリービングも可能。
ARQとFECのそれぞれの特性
- ARQ
- メリット
- パケット損失が少ないネットワークではFECより帯域増加率、エラー回復率の点において有利
- デメリット
- ネットワークの距離が遠いときに不利
- パケット損失が多いと再送が増えるため不利
- メリット
- FEC
- メリット
- リアルタイム性の高いアプリケーションや長距離のネットワークで有効
- デメリット
- 計算のオーバヘッドが多い
- 冗長パケットによる帯域へのオーバヘッドも多い
- メリット
ARQ vs. FEC
- ARQのスループットはFECよりも低い
- 再送のオーバーヘッドのため
- ARQでは再送を行えばパケット損失を0%に近づけることができる
- FECでは1回の送信だけでわずかなパケット損失に抑えることができる
- →利用状況によっては、そのわずかなパケット損失でもビデオの品質に大きな影響を与える
利用場面や拠点間の距離,ネットワークの状態を考慮して使い分ける必要がある
Throughput of ARQ&FEC
FECの計算オーバヘッド < ARQの再送オーバーヘッド
関連論文
「Reliable Real-Time Transport of Stereo Video for Immersive Media Communication」
Hyeyoung Chang et al.: HSI2003,LNCS2713,pp.362-371,2003.